自分のために自分も人も許そう
人間は感性豊かでそれがプラスに働く面もたくさんありますが、憎しみや恨みといった悪い方に向いてしまうこともあります。
憎しみや恨みは人をどこまでも苦しめます。
憎めば憎むほど、恨めば恨むほどどんどん辛くなっていく。
許せない気持ちって心に毒の種を蒔くようなもの。
毒の芽が出て、成長して、大木になって、花が咲いてまた種を蒔かれる・・・ということを繰り返せば苦しみがどこまでも大きく、深くなっていくのがわかると思います。
だから、誰かを許せないと思ってしまった時は一刻も早くそれを浄化したほうがいい。
アメリカの研究結果でこんなデータがあります。
人を憎み、相手の不幸を願う人は体内でストレス物質が増え、免疫力を低下させたり認知機能に問題を引き起こしたりする。
それに対し、相手の幸せを願った人は幸福感が得られるような物質が増す。
心の問題だけでなく、科学的にも憎しみや恨みが人に悪い影響を与えることが証明されているんです。
とはいえ、どうしても許せない相手を許すのは難しい。
ひどいことをされた場合は特に割り切ることなんてできない。
ただ、許すというのは相手のしたことを水に流すとか、なかったことにするとか、そんな意味じゃないんです。
矛盾するようですが、許せない気持ちはそのままでいい。
人を憎んでいる自分をまず許すことです。
誰かを憎む自分でもいい、そのままでいいんだって許す。
心は「そんな感情を持ってはいけない」と否定されると余計に反発して憎しみを募らせます。
でも、「そのままでいいよ」と許されたら頑なだった心がほどける。
許せない気持ちがそこにあっても、だんだん憎しみに振り回されなくなってくるんです。
それと、自分では「あの人が許せない」と思っていても心の深層まで探っていくと実は誰よりも自分が許せないでいることがある。
だから、まず自分の全部をそのままでいいと許すことが大事なんです。
人を憎む自分、いじけている自分、暗い自分・・・、自分を許せない背景には色々あると思いますが、それを全部許しましょう。
どんな自分も神様と同じ価値があるんだよって。
なんでも急に変わることはないけど、自分で自分に「そのままでいいんだよ」「どんな自分も許します」と声をかけ続けると人は本当に不完全な自分でもいいと思えるようになります。
その時にやっと、人のことも許せるようになります。
自分だって不完全な人間なんだから、相手にも未熟なところがあるのは当たり前。
やられたことは許せないけど、もう関わるのはやめて自分を大事にしよう。
嫌なやつに気を取られないで楽しい道に進もう。
そうすると、周りの言動にいちいち振り回されなくなります。